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平成28年度学術研究部会の案内

日本雑草学会は平成15年度から学術研究部会(以下、研究部会)を設置し、活動を行っています。平成28年度は下記の各研究部会が活動を行っています。各部会への問い合わせ等は学会事務支局までご連絡下さい。

日本雑草学会事務支局 
〒602-8048
京都市上京区下立売通小川東入ル西大路町146 中西印刷株式会社学会部内
TEL:075-415-3661 FAX:075-415-3662 wssj●nacos.com(●を@に変換してください)



【学術研究部会名】雑草の個体群生態学

【背景・目的】
欧米における雑草学の動向をみると、個体群生態学的アプローチの重要性が次第に高まってきているが、日本の雑草生物学は主として個生態(生理生態)、種生態(種内変異)および作物-雑草間競合の解析を中心に進められてきており、雑草を対象にした個体群生態学の基礎は不十分である。本研究会は、雑草学会において埋土種子集団を含む個体群生態学に対する理解を深め、雑草の「空間生態」の研究深化をめざすし、議論を深めることを目的とする。このために研究発表会を開催するほか、位置情報収集ツールの使用方法の高度化、普及を進め、情報共有を促進する。



【学術研究部会名】雑草利用研究会

【背景・目的】
背景:平成16年に設立した雑草利用研究会は、平成17年度は「水辺環境の修復」、平成18年度は「雑草を利用した緑化」、平成19年度は「沖縄における雑草利用」をテーマに研究会を開催した。さらにタイ国カセサート大学と岡山大学との国際交流に基づく「環境保全セミナー」にてタイ国の雑草利用に関する研究を紹介すると共に、世話人らはH19年度日本雑草学会シンポジウムにて「雑草をきわめる ~歴史に学び、未来を拓く~ 雑草利用学の立場から」というテーマで企画・講演を行った。続く平成20年度は「水田畦畔植生」、平成21年度は「環境修復への雑草活用事例」、平成22年度は「雑草からの植物病害抵抗性誘導物質の探索」をテーマに研究会を開催した。また、平成20年度からは世話人の大学における教育プログラム(文科省現代GPプログラム)やイベントと連携して、国内外あるいは学界内外へ雑草の利用に関する発信を行い、特に次世代への啓蒙に対して一定の成果を得ている。平成21年度は第24回日本雑草学会シンポジウムの開催を担当し、韓国から講師を招聘することにより、雑草を資源循環型社会に利用する理念を検討した。さらに平成23年度は本学会50周年記念事業のシンポジウム等に積極的に関与した。そして、平成24年度は岡山大が世話人となり開催した国際セミナーを活用して、雑草の利用の概念を広めた。平成25年度からは、社会人や大学生、高校生が集まる環境保全フォーラムにて雑草利用に関する研究や調査を紹介する機会を設定し、「雑草との共存」の概念を提言している。平成28年度は今までの路線を継承しつつ、平成27年度に編集した一般向けの小冊子「Setouci Stroll」を発刊すると共に、連載シリーズとして発刊する準備を行うことにより、「雑草の利用」を地域に広く発信する予定である。
目的:雑草の機能を解析した上で、新しい技術を導入した雑草利用学への学術的方向づけと学界内外への発信を目的として活動する。



【学術研究部会名】雑草情報共有システム研究会

【背景・目的】
背景:学問的背景や社会的背景等
 日本の農業生産現場、特に土地利用型作物生産では近年、除草剤では防除が困難な新たな難防除雑草による被害が拡大している。なかでも、畑作では帰化アサガオ類、アレチウリなど海外から新たに侵入する草種による雑草害、水稲作では雑草イネによる赤米混入被害や除草剤抵抗性雑草による被害が大きい。これらは既存の防除体系では防除ができないことから、雑草の生理生態の解明に基づく総合的防除技術を早急に確立するとともに、現場での早期発見に務める必要がある。加えて、現在は顕在化しておらず、私たち自身も見逃している様々な難防除雑草の日本への、さらには農耕地内への侵入が多発的に始まっている可能性もある。
 上述のような難防除雑草は侵入を水際で防止することがなにより重要であり、そのためには全国に雑草に関する情報網を構築することが望ましいが、残念ながら雑草を専門とする研究者・技術者や機関は病害や虫害と比較すると極めて限られる。そこで、全国に散在する関連分野の研究者、技術者のみならず行政担当者や農業者を含めたネットワークを構築し、その間で雑草に関する情報を有効に共有するシステムの確立が求められている。
 人材不足は防除技術開発の場面でも顕在化しつつあり、一機関では対応しきれない状況が多く見られる。こうした場合、多機関が連携し、それぞれが得意分野を受け持って技術開発にあたる必要があり、そのためにも関連情報の共有が前提となる。
目的:研究部会の活動目的
 このようなことから、本学術研究部会では、雑草関係の研究者、技術者、行政担当者や農業者が日本における雑草に関する情報を有効に共有するシステムのかたちはどのようなものであるかを議論するとともに、考案したシステムを実際に試行し、また、共有された情報を活用して具体的な技術開発や現場での対策策定に活かす取り組みを推進する。



【学術研究部会名】生活史研究会

【背景・目的】
背景・目的:本研究会の目的は、雑草の生活史に関する認識を深めるため、生活史に関して多面的に議論する場を作ることである。
 発芽時期や開花時期など、生活史の理解は雑草学の中心的話題のひとつである。発芽時期にどのような適応的意義があるのか、開花時期はどのようなメカニズムで制御されるかなど、雑草研究者は様々な観点から雑草の生活史を理解しようとしてきた。また、雑草の生活史は、適切な雑草管理技術を確立する上でも不可欠な情報である。しかし近年の雑草学の動向を見ると、日本・欧米ともに、雑草の生活史研究は目立たない存在となっている。すなわち、雑草の生活史に対する理解・仮説に対して、仮説検証を試みる研究や新たな概念を提唱する研究は多くなく、「雑草の生活史」という概念は十分に理解されているかのように扱われる傾向がある。
 近年の解析技術の進歩により、遺伝子発現や代謝産物の動態など、いままで観察できなかった要因が観察できるようになり、生活史の理解は新たな展開を迎える準備が整っている。また、コンピュータの計算速度の向上により従来はできなかったモデリングが可能になっており、環境要因・遺伝的要因を考慮して雑草の生活史を予測することも可能になるだろう。本研究会では、影の薄い存在になってしまった生活史研究に光をあて、雑草の生活史に関して多面的に議論することを目指す。



【学術研究部会名】除草剤抵抗性雑草研究会

【背景・目的】
背景:雑草の除草剤抵抗性生物型の出現が日本で初めて報告されてから25年以上が経過した。日本の水稲作においては、現在スルホニルウレア系除草剤(SU剤)抵抗性生物型に有効な除草剤が市販され、SU剤抵抗性生物型の防除に関する問題は沈静化しつつあるようにみえるが、現実問題として、新たな草種での抵抗性生物型の報告が相次いでいる。また、ネズミムギ、オヒシバ、ヒメムカシヨモギにおいてグリホサート抵抗性生物型の出現が日本でも報告されたように、特定の除草剤の継続使用によって新たな除草剤抵抗性生物型が出現する可能性が高い。世界的な観点からすれば、雑草の除草剤抵抗性生物型の出現が現在もなお次々と報告され、さらに、除草剤抵抗性作物の栽培に伴う抵抗性雑草の出現が新たに問題化している。雑草の除草剤抵抗性生物型の抵抗性獲得機構や生物学的特性などに関する知見を集積することは、雑草の除草剤抵抗性生物型に対する対策を構築するうえでも有益である。また、雑草の除草への適応や進化を考える観点からも、雑草の除草剤への抵抗性の進化は興味深い課題である。
目的:除草剤抵抗性雑草に関するさまざまな情報を共有し、抵抗性雑草防除への生物学的アプローチの今後の展開を探るための情報交換を行ない、その周辺領域を含めたさらなる研究活動を展開する。



【学術研究部会名】都市雑草研究会

【背景・目的】
生活の場である都市・市街地には植栽植物と非植栽植物(雑草)で構成される多くの緑があり、それらは景観、土壌保全、環境保全上重要な役割を果たすとともに、生活者に様々な生態系サービスを提供している。このなかで雑草は、最も身近な興味ある生き物であると同時に、緑地の劣化や人間や生活への直接の障害の元凶にもなっている。当然のことながら雑草が利であるか害であるかは、その種類と存在様式によるが、これらは社会情勢や気候変化・都市温熱化等により年々変動しているのが現実である。しかし、これに対する対策や将来に備える現状実態の把握はほとんどなされていず、都市。市街地雑草に焦点を当てた体系的な知識の集積や関係者への啓蒙活動が、地域の健全な環境保持において急務であり、それは雑草科学者がやるべき仕事であり、この研究会の目的はそこにある。
このような考えに立ち、平成19年度に都市雑草研究会を設立し、以下のように活動を行ってきた。

① 都市・市街地の雑草・雑草問題・公共が実施する対策に対する各種関係者の意識を把握:19~20年度にアンケート調査を行った。

② 都市・市街地で問題になる主要雑草の種類発生状況の把握:21~24年度。全国の都市公園74箇所を対象に雑草の発生状況と管理実態し現地調査、取りまとめた成果の報告会を兼ねて「公園と雑草」シンポジウムを開催した。

③ 雑草ウオッチャー・プロジェクトの運営:25年度~現在。都市・市街地雑草に関心をもつ一般市民、現場の雑草管理者、雑草学研究者等が、地域住民目線で雑草・雑草問題を考え、改善のために活動する市民科学集団として立ち上げた。

28年度もこの基本線に沿って、活動を継続する。



【学術研究部会名】有機農業技術研究会研究会

【背景・目的】
 有機農業とは、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業であり、有害動植物の防除には除草剤など化学的資材を使用せず、耕種的防除、物理的防除、生物的防除、またはこれらの組み合わせのみによって行わなければならない。モンスーンアジアにおける有機農業を実現するには、雑草問題をいかに解決するかが最大の課題であり、有機農業生産者はさまざまな技術を工夫して対策を講じているが、革新・普遍的な技術体系に至ったものはほとんどない。また、これまで雑草学会においても耕種的防除法などの科学的知見は蓄積されてきたが、生態学的雑草管理に基づく有機農業技術としての体系的な研究事例は少ない。
 近年、食の安全や環境に対する意識の高まりから、有機農産物への需要が高まってきており、平成18年には有機農業の推進に関する法律も施行されたことから、有機農業に関する技術の研究開発及びその成果の普及が求められている。現在、国内においても民間レベルで様々な有機農業による抑草技術が提案・実施されているが、その科学的・技術的検討は十分に行われておらず、ヨーロッパや北米のような冷涼・乾燥地における生態学的雑草管理の手法を参考にしながらも、水田をベースにしたモンスーンアジアの代替雑草管理技術の確立は急務である。そこで、ますます情報の共有化や技術的課題に対する建設的な議論の場が必要となってきている。
 目的:耕種的防除に関する基礎研究から現場事例まで、有機農業技術に関する情報の収集と共有を図るとともに、生態学や雑草科学の視点から有機農業技術の検証に関する課題整理を行うことを目的とする。また、今後の有機農業技術開発の方向性に関する議論を深めていきながら、新たな研究シーズの提案も行う。



学術研究部会の活動

平成20年度 雑草についての意識調査の結果PDF 都市雑草研究部会
平成19年度 都市雑草研究部会設立 都市雑草研究部会
平成16年度 第二回雑草分布調査(チガヤ) 雑草モノグラフ企画チーム
  「雑草度合い」の判断 雑草リスク評価研究会
  第三回雑草分布調査(ミズアオイ) 雑草モノグラフ企画チーム
  雑草利用研究会設立 雑草利用研究会
平成15年度 第一回雑草分布調査(ショクヨウガヤツリ) 雑草モノグラフ企画チーム
  第一回雑草分布調査の結果 雑草モノグラフ企画チーム

 

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