第15回 畑作雑草研究会 開催のお知らせ
第15回畑作雑草研究会を下記の要領で開催いたします。近年,畑作で全国的に問題が拡大している難防除外来雑草の多くはほ場周辺の畦畔・法面に定着後にほ場内に侵入するという経緯を辿っています。今後短期間で,これら難防除雑草に対する有効な除草剤の実用化が見込めない状況では,ほ場周辺の植生管理に地域集団レベルで持続的に取り組むことが最大の予防策となります。今回の研究会では,水田輪作での外来難防除雑草まん延防止の前提である畦畔管理技術の科学的裏付けと地域での持続的管理体制づくりを主題として,議論する構成としました。
本研究会に参加ご希望の方は,氏名(ふりがな)および所属等を明記の上,11月29日までに下記までお申し込みください(申込受付は11月5日から開始します)。多数の皆様のご参加をお待ちしております。
1.日時:平成25年12月4日(水) 14:30~16:30
2.場所:浅草ビューホテル(〒〒111-8765 東京都台東区西浅草3-17-1 http://www.viewhotels.co.jp/asakusa/)
・つくばエクスプレス「浅草駅」 直結
・東京メトロ銀座線「田原町駅」 徒歩7分
・東京メトロ・都営浅草線「浅草駅」 徒歩10分
・都営浅草線・東武スカイツリーライン 浅草駅より徒歩10分
3.内容
1)はじめに-外来難防除雑草まん延防止のための地域での畦畔植生管理の課題
澁谷知子(農研機構・中央農業総合研究センター)
圃場内に侵入して多大な被害を及ぼす外来難防除雑草が、圃場周辺の畦畔などで繁茂し、圃場への侵入源となっている。畦畔は生産の場ではないため、管理の考え方が異なったり、管理が行き届かなかったりすることが多い。外来難防除雑草のまん延防止には、畦畔管理の技術開発と同時に地域全体で安定的に管理を継続していくための体制作りが欠かせない。ここでは畦畔植生管理の課題を整理し、本研究会の導入とする。
2)積雪前の除草剤散布で斑点米が激減
高岡誠一(福井県農業試験場 有機環境部)
積雪前のDBN剤散布によって、6月中旬まで雑草の発生を抑えられ、6月下旬のアカスジカスミカメ第1世代成虫の発生量が著しく減少した。また、広範囲に散布すると、斑点米の発生抑制効果が、高くなった。積雪前のDBN剤散布を基幹とした防除体系は慣行防除体系に比べ、斑点米発生率は同等であった。本技術の導入により、斑点米の発生抑制、防除経費の低減、防除作業の分散と省力化、農薬の使用回数の削減等の効果が期待される。
3)地域レベルでの水田周辺植生の管理による斑点米カメムシ防除技術の開発
市原実(静岡県農林技術研究所)
近年、静岡県内の水田地域において、水稲の斑点米被害を生じさせるカメムシ類(特に、アカスジカスミカメ)による被害が問題となっている。アカスジカスミカメによる斑点米被害を軽減するためには、水田周辺部において餌となるイネ科雑草を低減する必要がある。本講演では、地域レベルでの水田周辺部の植生管理によって斑点米被害を軽減する技術について、静岡県の研究の取り組みを紹介する。
4)難防除雑草の農用地へのまん延防止に関する普及指導:富山県の取組
青木由美(富山県農林水産部)
近年、富山県では畦畔等のほ場周辺で帰化アサガオ類等の難防除雑草の発生が拡大しており、大豆作で問題となり始めている。難防除雑草の農用地へのまん延防止には初期防除が重要なことから、これまで各地域の普及指導機関と連携し、発生状況調査による実態把握や生産者への防除対策の周知を図ってきた。適切な対応について指導者間または生産者と迅速に共有するための取組を紹介するとともに、難防除雑草の侵入経路となる畦畔等ほ場周辺の管理の現状と課題について報告する。
5)栃木県における雇用労力を活用した畦畔雑草管理
薄井雅夫(栃木県農政部)
水田畦畔の雑草管理は水稲の生産における重要な作業の一つである。畦畔管理技術には、除草剤・抑草剤の使用、グランドカバープランツの利用もあるが、多くの地域で除草作業は刈り払い機により行われている。栃木県では、雇用労力により草刈りに対応している経営体がみられる。今回、そのような数事例について聞き取り調査を行い、雇用導入の経緯、効果等についてとりまとめたので報告する。
4.参加費
学生(会員・非会員問わず):無料
雑草学会個人会員:¥1,000
雑草学会個人会員以外:¥2,000
お問い合わせ
〒305-8666 茨城県つくば市観音台3-1-1
農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター 生産体系領域 浅井元朗
電子メール: masai@affrc.go.jp(全角で表示しています.送信時には半角で入力して下さい)
参加申し込み
参加申し込みは以下のフォームからお願いします。
http://wssj.jp/FormMail/hatazassou/mpmailec/form.cgi
*畑作雑草研究会は畑作における雑草管理技術に対する基礎研究から現地情報まで知見を共有・検討する場として,日本雑草学会学術研究部会の一つとして平成 15年に設立しました。