都市雑草研究部会のご案内
   
平成19年12月18日
学術研究部会の一つとして19年度に承認されました都市雑草研究部会の趣旨と19年度の活動予定を、以下に紹介します。本部会活動に対する皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
                        
世話人 伊藤操子(代表) 角 龍市朗
安齋達雄     伊藤幹二
【設立の背景と趣旨】
 雑草対策は、食糧生産の場だけでなく、私たちの生活環境においても重要な課題です。都市・市街地は面積的には広くはありませんが、そこを生活の場・活動の場としている人間は膨大な数に上り、環境としての良質の緑地の形成と維持は、今日欠かせない社会的条件になっています。しかし、現実には空き地、河川敷・堤防のり面などにおける大型多年生雑草の蔓延はもとより、公園、集合住宅緑地、工場・商業緑地、道路緑地帯など植栽のある部分での雑草繁茂も目立ちます。これらの場のほとんどが、雑草の生態を無視した最低水準の管理しか受けていず、著しい雑草被害によって緑の環境保全的価値は劣化し、景観・美観、衛生上から問題が生じています。
 このような状況から、快適な市街地・都市空間を形成するための雑草学からのアプローチは急務です。まず、雑草の発生や被害の実態についての包括的な把握が必要です。また、現状把握に際しては、土地開発や交通激化に伴う新たな帰化種の侵入・拡散やヒートアイランド化による優占種やフェノロジーの変化など、都市・市街地雑草の特殊性を十分考慮して行うことも必要です。しかし、これまで特定の帰化雑草の分布や生態、公園芝生、道路・鉄道の雑草やその対策に関しての調査・研究が散発的に行われてきたものの、研究・知識普及の両面において雑草学(会)がこの分野に本格的に取り組んだ形跡はありません。
 この分野の立ち遅れの大きな原因は、その多様性にあると考えられます。すなわち、利用形態(居住地区、商業地区、産業地区およびそれに付随する地域に位置する公園、集合住宅緑地、工場緑地、道路緑地帯、軌道敷のり面河川敷・堤防のり面など)、植生形態(植え込み、芝生、高木、植栽なし)、関係者(研究者、植栽管理実務者、場面所有者、生活者など)、さらに関連研究分野(雑草学、芝草学、緑化工学、環境保全学、樹木医学など)において非常に多様です。幅広い協力関係が必要とされる分野です。
 以上のことから、この都市雑草研究部会の当面の役割は、@都市・市街地の雑草と雑草問題の現状分析を通じて、この分野における現在・将来の主要な問題・研究課題を明確にすることならびに、Aそのための立場横断的・分野横断的ネットワークの構築であると考えて、活動を開始しました。

【19年度の活動予定】
a)関係者のネットワークをつくる。<「都市雑草ML」を立ち上げました。ご入会ご希望の方は、toshizassou@infoseek.jpにご登録ください。>
b)アンケートを実施する。<雑草についての意識調査を様々なグループを対象に、1月ころに行います。ご協力をお願いします。>
c)研究会を開催する。<4月の大会時、小集会を予定しています。他学会員にも参加をよびかけます。>



  • 雑草についての意識調査の結果(PDFファイル) (2008.10.09掲載)


  • 【問い合わせ先】
    伊藤操子
    〒650-0046 神戸市中央区港島中町6−14、C-1602
    マイクロフォレストリサーチ(有)
    Tel: 078-303-0434, 078-302-2850
    Fax: 078-303-0434