(社)日本技術士会からのお知らせ

 日本雑草学会は、植物防疫関連学会(日本植物病理学会、日本応用動物昆虫学会、日本農薬学会、植物化学調節学会)とともに、技術士・農業部門・植物保護の国家資格取得促進と関連分野における技術士の職場確保に取り組んでいます。会員の皆様におかれましては、社団法人日本技術士会による「技術者国家資格への誘い」をご参考に技術士試験に積極的にチャレンジしていただき、当学会から多くの技術士が誕生することを期待しています。


技術士に関する委員会 担当委員 浅野紘臣、渡邊寛明


"技術者国家資格への誘い"
技術士受験に向けて



はじめに
 国際社会においては、技術競争の中で個人資格が重要視されています。これは、技術者の信頼性を判断する上で重要なファクターであると考えられているからです。技術士はこうした中で、高い評価を得ている資格の一つです。国内においても、技術士の専門技術と幅広い応用能力は高く評価されています。従って、その試験には、周到な準備が必要です。


1. 技術士一次試験
 一次試験のレベルは、国際的な同等性の確保から、大学の専門課程程度で、基礎科目(1時間、配点15点)、適正科目(1時間、配点15点)、共通科目(2時間、配点20点)、専門科目(2時間、配点50点)の筆記試験(多肢択一式)を行っています。
尚、JABEE認可を受けられた方は一次試験が免除となります。また、一定の資格(一級施工管理技士、測量士、計量士等)を有している方、及び専門分野の4年制大学を卒業された方は、共通科目が免除されます。それから、いずれかの部門で一次試験に合格すれば、どの部門の二次試験も受験できます。従って、得意分野で一次試験を、技術士となりたい部門で二次試験を受験されることをお勧めいたします。受験日程は、毎年2月中旬の官報公告(試験施行に関する事項)で公表されます。受験申し込み5〜6月、試験10月、合格発表12月が通常であることから、2月の官報を確認してから準備にかかっても間に合います。参考資料は問題集等が市販されているので、出題傾向を予測して対応できます。(この予測は、二次試験でも応用できるテクニックのひとつです)受験手数料は概ね11,000円程度です。


2. 技術士二次試験
受験資格は、一次試験合格後、技術士又は優れた指導者の下で4年間の実務経験が必要です。尚、一次試験受験前を含めて7年間の実務経験があれば、一次試験合格の翌年でも受験できます。ただし、総合技術監理部門は、全ての方が7年以上の実務経験が必要となっています。試験方法は、筆記試験と口頭試験があり、平成19年度から次のようになりました。
筆記試験:T-1「選択科目(植物保護等)に関する専門知識と応用能力」記述式600字詰め6枚以内(設問が2つ有るときは各々3枚以内の場合もある)配点50点
U‐1「技術部門(農業等)全般にわたる論理的考察力と課題解決能力」記述式600字詰め3枚以内 配点50点
口頭試験:@筆記試験合格者は技術的経験論文(図表を含めて3000字以内でA-4用紙2枚以内、白黒)を口頭試験の前に提出する。これは従来の「経験論文」で口頭試験としては、この論文と業務経歴により試問する。(配点40点)
A技術士として必要な専門知識及び見識について (配点40点)
B技術士としての適格性及び一般的知識(技術士法及び技術者の倫理)について (配点20点)
       ☆総合技術監理部門については、別の機会に譲るものとされています。
受験日程は、2月中旬の官報公告に試験施行に関する事項が掲載されます。一般的には、3月〜4月に受験申し込み、8月上旬筆記試験、12月上旬口頭試験であり、試験申し込みの経歴の述から試験が始まっているといっても過言ではないと思います。従って、受験準備は、既にもう始まっていると考えるべきでしょう。経験論文は、失敗事例も選択のひとつです、その対処の仕方が応用能力として評価されるからです。受験手数料は概ね14,000円/1部門 程度です。詳細は、(社)日本技術士会ホームページ(URL http://www.engineer.or.jp/)に掲載されますので確認してください。


3. 資格の必要性
「食の安全・安心」はもとより、国民生活における「安心」は技術委託の場合を含めて、技術者に対する信頼感にあると思います。この信頼感を担保しているものが資格です。「技術士」は職業独占の資格ではなく、「名称資格」です、信頼に値する評価を得るために、技術士は各人、常に資質向上を心がけ努力しています。ある先進国では、大学教授といえども、コンサルタント活動を行うためには「技術士」資格が不可欠で、殆どの先生方が取得しているとも言われています。海外との共同プロジェクトやコンサルタント活動の上で、国際的に通用する資格が求められている今日、「技術士」は、その最先端にあると言っても過言ではないと思います。国内での信頼感、国際的にも通用する資格としての「技術士」を、一人でも多くの方々が受験されますよう期待してやみません。      

             

以上

             (社)日本技術士会 農業部会活性化担当幹事 玉井 丈生