アレチウリ

Sicyos angulatus L.
ウリ科 CUCURBITACEAE

中国名: 刺果瓜(ci guo gua)
英名: burcucumber(アメリカ雑草学会)

アレチウリの写真

撮影:大川茂範

特徴

北米原産のつる性の一年生雑草で、北海道から鹿児島にかけてほぼ全国に分布する。河川敷、堤防、空き地、林縁、樹園地、農耕地等に発生する。茎は円くて稜があり、多細胞の縮毛が多く、盛んに分枝して伸び、長さ数mの達して巻きひげで絡まって密に群生する。葉は互生、葉身より短い柄があり、葉身は外周がほぼ円形で、径10~20cm、浅く3~7裂し、鋸歯縁、基部は浅い心形となる。雌雄同株異花序で、葉腋から1本の雄花序と1本の雌花序を出す。雌花は淡緑色で直径約6 mm、球状に集合する。雄花は黄白色で直径約1 cm、総状花序となる。開花は8月から10月、1株あたり400~500個の種子を生産し、個体サイズによって2500個以上になることがある。果実は約1cm、卵状楕円形でやや扁平、軟毛と柔らかくて長い刺毛を密生させる。種子休眠性があり、シードバンクを形成する。成熟した果実は水に浮き、水系で移動することがある。

雑草としての重要性

河川敷で大群落を形成する。河川敷の他の植生の生育を大きく阻害し、生態系への影響が大きいことから、特定外来生物に指定されている。種子の移動・運搬、栽培には特定外来生物の飼養等の許可申請が必要である。大豆畑では土壌処理、茎葉処理、大豆生育前期の手取り除草、非選択性除草剤の畦間・株間処理を組み合わせた総合的防除体系で、発生量を大きく減らすことができる。飼料用トウモロコシ畑では、土壌処理剤と効果の高い茎葉処理剤の体系防除によって発生量を抑えることができる。飼料畑では畦畔から畑の中に侵入するケースも多く見られる。

文献・リンク

『雑草研究』(和文誌)掲載論文:27件(2021年12月時点)
Weed Biology and Management (英文誌) 掲載論文:2件(2021年12月時点)

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