アメリカアサガオ

Ipomoea hederacea Jacq.
  マルバアメリカアサガオを除く場合:Ipomoea hederacea Jacq. var. hederacea
  マルバアメリカアサガオのみをさす場合:Ipomoea hederacea Jacq. var. integriuscula A.Gray
ヒルガオ科 CONVOLVULACEAE

中国名: 裂叶牵牛・裂葉牽牛 (lie ye qian niu)
英名: ivyleaf morningglory(アメリカ雑草学会)

アメリカアサガオの写真

撮影:押川純二

特徴

北アメリカ原産のヒルガオ科サツマイモ属のつる性の一年草。国内では北海道から九州に広く帰化している。葉は 3~5 裂し、頂裂片の基部が左右から深く切れ込む。萼裂片の先は管状に伸びて著しく反曲し、萼には黄褐色の長毛を密生する。花は直径約3cmで淡赤紫色~水色、8~10 月頃に咲く。マルバアメリカアサガオ(var. integriuscula A.Gray)はアメリカアサガオ(var. hederacea)の変種で、葉が円形で分裂しない。アメリカアサガオは江戸時代末期(1882年頃)に日本で栽培されていた記録があるが、現在定着している系統は戦後(1950年頃~)に輸入穀物に混入して渡来したものと考えられている。

雑草としての重要性

アメリカアサガオを含む帰化アサガオ類は国内のダイズ栽培時に一般的に用いられる土壌処理剤やダイズ生育期に全面処理可能な茎葉処理剤ベンタゾンに対する感受性が低いことに加えて、つる性で 機械除草が困難という生態的特徴を持つため、ダイズ畑や飼料畑に侵入して被害をもたらす。帰化アサガオ類は発生期間が長く、出芽後2~4週間でつるになる。つるになると防除が難しくなるため、その前に防除することが重要である。防除技術としては、土壌処理剤のプロメトリンやフルミオキサジン、茎葉処理剤のベンタゾンやグルホシネート、中耕培土が報告されている。

文化・利用

園芸的に利用されることがある。

文献・リンク

『雑草研究』(和文誌)掲載論文:11件(2021年12月時点)
Weed Biology and Management (英文誌) 掲載論文:2件(2021年12月時点)

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